INFORMATION

『Z世代の熱量とマネジメント』1⃣ 「Z世代は“熱量”を嫌うのか?」 〜実は彼らが心の奥で求めているもの〜

Z世代は“熱量”を嫌うのか?

最近よく耳にする。
「Z世代は熱苦しいのが苦手」
「距離感を大事にする」
「上司の圧を嫌う」

確かに、それは一面としては事実ともいえよう。
だが私は長年、近年でも多くの若者達と関わってきて、少し違う景色も見えている。
彼らは、“熱量”そのものを嫌っている訳ではないのではないか、という様子だ。

苦手です、という声が聞こえてくるのは――
“押し付けられる熱量”
“自分を否定される熱量”
“根性論だけの熱量”

すなわち、自分の気持ちや心情にさほど気にかけることなく、投げ掛け手側(多くは上司、マネジメント)本位となりがちな“身勝手な熱量”には歓迎しないということである。

逆に言えば、
「自分をちゃんと見てくれる人」
「本気で向き合ってくれる人」
「口だけでなく行動している人」
「感情ではなく信念を持つ人」

こういう“大人の熱”、つまり上司や先輩、年上の人の“熱”には、実はかなり敏感だ。

実は彼らが心の奥で求めている、本物の本気

そして本音では、そこに惹かれている若者も多い。
厳しいことを言われるのが嫌、ではない。”相手の自己都合のように感じる厳しさ” が嫌なのだ。至極当たり前の感想だ。自分本位な立場や視点からの“厳しさ”はその人の都合であって“私の為”ではない。私のことを心から真剣に思ってくれて、尚且つ、自分に合った伝えられ方 ――—(これは我がままにも見られがちだが、実際には、自分に見合った伝えられ方であり、分かりやすい伝えられ方)―――であるなら、それはとても嬉しいという。
まずはとにかく“理解”して欲しいのだ。
理解とは、“理屈的な理解”ではなく、“まずは自分という人間を認めて欲しい”思いから始まる。

なぜなら、今の若い世代は、幼少期から情報過多時代を生きている。
SNSで簡単に比較され、評価され、炎上し、傷付く時代を生きている。

だからこそ彼らは、「この人は本物か?」にとても敏感であり、繊細であり、非常によく見ている。

表面的なテンションや、判で押したような昭和型の気合いだけでは動かない。嫌悪や冷笑が生ずる。
しかし、逆に、“本気”には驚くほど反応する。
自分をしっかりと見つめてくれて、心の底から本気で真剣な関りには非常に素直である。
もちろん、思考や意見が反対の場合もあるわけで、すべてをYESとして受け取るわけではないから、昭和型(イエスマン的素直)ではない。先述のように、情報量がとてつもなく多く、様々な分野の知識の量も多く蓄えられる現代なので、意見交換にも一つ一つに根拠性が備わり、時には喧々諤々ともなろう。

なぜ丁寧が必要か? 気をつけたい隠れた誤解と行き違い

こんな時にしばしば、「世代間のズレと錯誤してしまう“行き違い”」が発生する。

何でも「ハイ」と言うわけではない=素直じゃない

アプローチに気持ちが強くなり“熱のこもった説得”になっていく=“自分本位な熱量”に辟易が生ずる

どうにか分かって欲しい上司は気持ちばかりが強くなってしまい、いつの間にか、気づかぬうちに、“自分本位な熱量”になってしまう。
本来、部下の事を思い、部署・チーム全体のことも考えた上での指導であり育成の関りが、上司自身の本意なのだ。マネージャーとして、「自分の本意」が「自分本位」にならぬ様に気をつけることが肝要となる。その部下を思う気持ちから繋がる気遣いに始まり、丁寧な関りと育成が求められる。双方のコミュニケーションのボタンの掛け違いが生じないような、真剣な期待と本気の励ましといった『本意のキャッチボール』が非常に大切だ。

“優しさだけを求める甘ちゃん” ではないという実像

実際、私が現場で見る若手達は、

「厳しいけど信頼できる上司」
「本気で育てようとする先輩」
「ちゃんと叱ってくれる人」

そう思える人には、時間をかけながらも付いていく。気持ちも驚くほど真摯だ。
その人が言っていることがすぐに分からなくても、分かりたい気持ちが維持され、質問も返し、理解していこうと能動する。その間、間違いの指摘をされても、それは自分が間違った方向を向いていることへの心ある注意であり、決してダメ出しとは受け取らない。

つまり、彼らが求めているのは、“優しさだけ”ではない。“甘やかし”ではない。
本当は――
自分の可能性を“本当の本気”で信じてくれる人」 なのではないだろうか。

意味と価値を求める世代。『真の熱度』とは?

そしてもう一つ。

彼らは“意味”を求める世代でもある。

「何のためにやるのか」
「それにどんな価値があるのか」
「誰がどう得するのか、誰の役に立つのか」

ここが見えない努力には動きにくい。
逆に、“意味”が腑に落ち納得すると、驚くほど集中し、工夫し、伸びる若者も多い。
意味と価値を見出す構えがあるからこそ、成果に直結したワークを展開する。ビジネスの世界では強靭な姿勢だ。

若者世代に関わるとき、必要であり重要なのは、「熱を消すこと」 ではなく、
『熱の伝え方を進化させること。』 そして、『熱の伝わりが彼らの為になること。』
育成の中で、しっかりと意味と価値を含んだ教示をし、その可能性と手応えを伝えていく時、じわじわ熱が生じてくる。やりとりが高まれば熱はビシビシ高まってくる。
語気を荒げる熱度ではなく、“意味と価値と可能性”を感じ、“達成と成長”を思い描ける『真の熱度』だ。
すなわち『本気の伝道』である。

気にかけ、言葉をかけ、期待をかける。キャリアグロウスをサポートする。

若者に迎合する必要はない。
だが、若者を理解しようとする努力は必要だ。
気に掛け、関心を持ち、思いを馳せ、その若者が描く夢やビジョンは何か。

そして“若者世代の側”もまた、「自分を鍛えてくれる存在」 を避け過ぎてはいけない。
甘く優しいだけの環境では、人は強くなれない。
真の実力を身につけ、その実力を伸ばすことで相応な情報を聞き分けられることが出来、自分のキャリアを育むことにつながり、自身の上質な『キャリアグロウス』が成されていく。

真の育成は本気の熱から始まる。本気で高い熱量を以って部下、若者に期待する。
本当の成長とは、「期待されること」 から始まる。
伸びていく育成は、『期待することから始まり、期待し続けること』が大切だ。

 

PAGE TOP