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『温故知新・・・六本木という町。』

鮮烈な印象を与えてオープン、デビューしてここ数年、とりわけここしばらく何かと賑っている、ご存知『ヒルズ』。
起きている出来事はまあともかくとしまして、その存在感は堂々としています。夜景に映える姿には現代的な美しさを感じさせてくれますね。洗練された姿で立派に建っていると、それはそれは素晴らしいものです。ちなみに首都高速3号線を走って来ますと、しばらくの間、その行く手の正面にそびえ立っているのです。
 
さて、50階超のハイタワーも確かにスゴイですが、これまでの六本木界隈は高層建物よりも、街の魅力で多くの人を惹きつけてきました。眠らぬ街はキラキラ輝きを放ち、一方で、堅い雰囲気を発信する防衛庁界隈。街路に立派に残る古き3階建てクラッシックな建物がとても誇らしく素敵です。昭和の激動を見つめてきたであろう建物。地味だが、しっかりとした味がある。今で言えば、レトロ、なのでしょうけれど、私は惹かれます。そして何より重要な事は、全て創ったのは“人”ということ。ビルでも橋でも道路でも、“人”が精神込めて創った筈なのです。だから、凄い。
 
遠き古(いにしえ)の話。六本木がまだ山だった頃。東京の中心の町、築地や浅草の方から多くの方が墓参に訪れたという青山の墓地。墓参りの途中でお花を手に入れるために立ち寄ったのが、今の後藤花店だとか。華やかな街にも、少し立ち止まってみると、人の積み重ねてきた時代と歴史の息遣いが聞こえる様です。
 
温故知新――平成の時代を勢いつらぬくヒルズもいいですが、“古き良き人の暮らし”に思いを馳せるのも趣の一つではないでしょうか。

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