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成果を正しく把握すること、それがビジョン実現の重要な第一歩です。
成果(Results)は現実にはかることのできる結果であり、ビジョンを実現するうえでの布石を意味します。
成果は決して憶測ではありません。成果は事実です。
🔲 ビジョン、目的、方向性、そのアライメントが『成果』を創り出す。
成果を正しく見ることによって、組織が本当にビジョンの実現に向かっているかどうかが判断できます。組織が動くためにはまず目的が必要です。共通の目的を持ち、実現到達すべきビジョンに向けて各個人が自己の資源を結集したとき、組織は最大の成果をあげます。もちろん、組織のビジョンと組織を構成する各個人のビジョンの方向性を一致させること(アラインメント/alignment)も必要です。
最大の成果をあげる組織は、リーダーが明確なビジョンと目的を持ち、ハッキリと示され、組織内に伝わることで、ビジョンに対する各個人の賛同が生まれ育まれ、その実現に向けての個々人の意識と行動にアライメントが起きる組織です。
言い替えるならば、成果が上がらないということは、組織のビジョンか目的か、あるいは各個人の方向性に問題があるということです。ビジョンが明確でないか、目的が明確でないか、または間違っているか、あるいは、方向性が一致していないのです。成果が芳しくないのであれば、ビジョンと目的についてあらためて考察すること、成果に向かう方向へと明確にすることが必要です。
🔲「過程」、「結果」、そして『成果』とは?
成果が何であるか、を正しく理解し把握することも重要です。『成果』についてみるとき、「過程」と「結果」ということも浮かび上がります。ここで問題となるのは「過程」と「結果」に絡む二つの考え方で、たいていの場合どちらかに拠りがちになるということです。重要なのは結果ではなく過程であるという考え方、一方、企業にとって結果が全てであるという考え方です。いずれも一理があり、もっともな考察ですが、まずそれぞれに注意すべき点が潜みます。「過程」についての重要さはあるものの、同時にそれが、成果があがらなかったことの言い訳として使われがちであるということを認識していなければなりません。「努力はしたのですが」「全力で頑張りましたが」という言葉からは何の成果も生まれません。(この時、人への『動機づけ』と『当該者の意識レベルによっての対応』という新たな関連課題が併行しますが。)そしてまた、「結果」も重要です。しかし、「結果」としてしまうことで、常にそこでのひと区切りの終了の意味を含み、次のステップへの継続的布石とはなりえません。
🔲『成果』か、「結果」か。
『成果』が「結果」と大きく異なる点は、正にここにあります。つまり、そこで終わるのではなくて、そこから始まるという点です。一般的に、達成すべき業績の数値が成果であると考えられがちです。しかし数値それ自体だけでは、達成した時点で終わってしまうものであるに過ぎません。重要なのは、数値の達成が本来のビジョンの実現にどれだけ結び付いているか、どれだけ寄与されたかをきちんと検討することです。ひとつの仕事を終えて出た「結果」がぶつ切れのように順々に行われるのではなく、一つ一つがビジョンの実現に結びつき貢献され連なる『成果』であるかが、非常に重要です。
🔲『成果の在り方』の重要性
このことは「過程」を見るときにも大変重要です。過程、経過のなかで方法や行動の見直しをするとき、ゴールの数値という「結果」に沿ってみるか、ビジョンに繋がる『成果』に沿ってみるか、によってとる対策は似て非なるものとなります。営業や販売のシーンで例えれば、「今月の売上予算(数値)を達成するためには、やり方は問わず、多少無理してでも構わない」とするか、「予算は達成したいが、あくまで企業ビジョンと目的にきちんと沿った上で成し遂げる」とするか、になります。両者とも幸いに「その時の数値」は達成しても、その中身は大きく違います。これが恒常的であれば、年月の積み重ねによる全体的な業績としての大きな差が生まれてきます。例え、前者が達成し、後者が逃しても、長期的に見ればどちらが成功への道のりを進んでいるかは明らかです。前者はピンチの都度、ビジョンと目的に沿っているか不明な方法や行動をとるようになり、企業主旨からはずれた結果を積み重ねることになります。後者は、つとめて企業主旨に沿う努力と工夫を行うため、一時的には目標達成を逃すことがあったとしても、必ず挽回し、達成していくようになります。企業ビジョンと目的に結び付いた意識と行動をし続けることで、実力がつき、内外からの信用を得ていくことで達成体質になるわけです。「過程」をみるときにも、省みるときも、ビジョンと目的に沿い、『成果』に照らし合わせていくことが大変肝要となります。
🔲『成果』を目指す継続が、自負心、自信、実力となる。
数値という「結果」視点に偏ると、前述の通り、その「結果(数値)」を果たすために望ましくない逸脱や無理も起こり、企業ビジョンと目的に沿っているか否かの意識がないため、すべきことなのか、してはいけないやり方なのか、判別がつかなくなります。たいていの場合、その事に気づきません。(分かっている様で深い認識がされていない)つまり、「結果(数値)」に自分自身が振り回される状態に陥るようになります。
『成果』という認識で在る、ということは、たえずビジョンと目的を意識し、今の事も先の事も見据えているため、落ち着いた思考から方法や行動の選択を図り、有用な施策を練ります。つまり、自分自身が主体となって動き、対応します。『成果』を目指すということは、状況に振り回されることなく、自分自身が主体(源)となって活路を開くという、大きな意味と価値を持ちます。その継続が、自負心、自信、実力を身につけます。
🔲『成果』は、ビジョン実現への羅針盤
到達すべきビジョンに向かっているかどうかは、成果によってのみ、はかることができるのです。その意味で、成果は羅針盤のようなものであると言えましょう。まず『目的』があり、実現すべき(したい)『ビジョン』があり、そしてアラインメントされた意識と行動を筆頭とした『一貫性』の結果が『成果』なのです。成果を正しく見るということは、目的やビジョン、アラインメント(一貫性)を検討するということです。そしてまた、組織は常に『目的』と『ビジョン』に立ち戻り、繰り返し新しい成果に向けて出発するのです。
リーダーは正しく成果を見なければなりません。船長が常に、羅針盤によって、船が目指す港に向かって進んでいるかどうかを確かめるように。ビジョンの実現のために、『成果』を正しく把握している企業・団体だけが望ましい達成に向い、限りない可能性に向けて進んで行くのです。